給与計算の手間は、単に集計作業が多いだけではありません。会社ごとのルール、雇用契約書、1分単位の勤怠、休憩、深夜時間、残業時間、店舗またぎ勤務、給与ソフト連携がそろっていないと、毎月の作業が複雑になります。
K1くんでは、店舗の勤怠データをもとに、通常時間、深夜時間、残業時間、休憩、店舗別人件費、社員・アルバイト・ヘルプの比率を整理し、給与計算や給与ソフト連携の前段階を整えます。
まず、給与計算の会社ごとのルールを確認します。締め日、支払日、時給、深夜給、残業、休憩、まかない、交通費、手当、店舗またぎ勤務など、会社ごとにルールが違うからです。
そのルールにできる限りのっとって、寄り添ったK1くんの管理方法をお伝えします。システムに会社を合わせるのではなく、会社のルールを確認したうえで、どこをK1くんで管理するのがよいかを整理します。
実際には、給与計算そのものよりも、給与の支払い計算や振込作業が手間なことも多いです。その場合は、K1くん単体で完結させるのではなく、他社の給与ソフトとの連動方法についてもアドバイスします。
給与計算を楽にするには、まず「何を計算したいのか」ではなく、「会社としてどんなルールで支払っているのか」を明確にすることが第一歩です。
基本は、出勤、退勤、休憩を1分単位で記録することです。これが曖昧だと、通常時間、深夜時間、残業時間、休憩時間の計算がすべて曖昧になります。
それとは別に、飲食店では店舗またぎ勤務も確認が必要です。1店舗だけで完結しない会社の場合、同じスタッフが複数店舗で働くことがあります。
たとえば、1日の中で店舗を移動する場合、その移動時間を勤務時間として扱うのか、どの店舗の人件費にするのかというルールを決めておく必要があります。できれば、契約や社内ルールとして文書化しておくべきです。
また、打刻が漏れた時に、どのような形で修正しているかも重要です。打刻漏れをどう直すか、誰が承認するか、何から何に変えたかを残せるように整えておく必要があります。

22時以降の深夜時間については、朝何時までを深夜時間として扱うのかを決めていないお店も多くあります。深夜営業が短い場合は大きな問題になりにくいこともありますが、朝8時、9時まで営業するお店では注意が必要です。
朝まで営業する場合、深夜時間から通常時間に戻すのが何時なのかを、雇用契約書などに書いておく必要があります。現場の感覚だけで運用していると、後から説明が難しくなります。
また、残業代や週の勤務時間についても、変形労働時間制の契約を結んでいるかどうかによって、支払い金額が変わってきます。飲食店は曜日や繁忙期で勤務時間が変わりやすいため、契約内容と実態が合っているかを確認してください。
そもそも雇用契約書に深夜、残業、休憩、勤務時間の扱いが書かれていない企業もあります。さらに、雇用契約書自体を結んでいないケースもあるため、給与計算の前に契約書の確認が必要です。

よく問題になるのは、実際には休めていないのにタイムカードを切らせている場合です。記録上は休憩になっていても、現場の実態が違うと問題になる可能性があります。
また、6時間や8時間など一定時間勤務した場合に、45分や60分を自動的に引く運用もあります。自動控除自体は運用できますが、本当に休憩を取れていない場合は注意が必要です。
裁判などになった時に、本来は実績よりも記録が重視されるべき場面もあります。しかし日本では、従業員の発言が重視される場合もあります。記録だけ整っていて、実態が伴っていない状態は危険です。
まかないを食べる時間についても、しっかり休憩を取らせる必要があります。食べながら働いている、休憩中も呼ばれたら対応している、という状態になっていないかを確認してください。
原則として、税理士さんに相談することをおすすめします。給与課税、非課税、控除、福利厚生は、会社の運用や目的によって扱いが変わることがあるからです。
一般論としては、まかないは所得、交通費は経費、手当は内容によって扱いが変わります。たとえば、売上に対する手当であれば給与扱いになることがあります。
ただし、同じ項目名であっても、目的によって変わる可能性があります。まかない、交通費、各種手当、インセンティブ、控除などは、会社の実態に合わせて整理してください。
K1くんでは集計や確認の材料を整えることはできますが、税務上の最終判断は士業の方と相談するべきです。システムで数字を出し、専門家に確認するという分担が安心です。

原則として、打刻漏れは修正がないことを前提に運用した方がいいです。打刻漏れが頻繁に起きる場合は、修正ルールより先に、打刻漏れが起きにくい仕組みを考えるべきです。
それでも修正が必要な場合は、少なくとも本人だけで修正できる状態にはしない方がよいです。最低限、店長の承認が必要です。
場合によっては、本部や事務所スタッフなど、第三者が承認する運用も有効です。店舗側だけで完結させると、後から説明が難しくなる場合があります。
絶対にやるべきことは、「何から何に変わったか」という記録を残すことです。そして、誰が変えたかも残します。これらは万が一の場合に争点となり得るため、修正履歴を残せる運用にしてください。
K1くんでできることは、店舗の勤怠の集計、通常時間、深夜時間、残業時間、休憩をベースにした管理です。そこから店舗別の人件費、社員、アルバイト、ヘルプの比率も確認できます。
給与計算自体も可能です。1店舗など小規模な場合は、K1くんからそのまま給与明細を出す運用もできます。
ただし、店舗が増えてきた場合は、freee、マネーフォワード、弥生給与などの給与ソフトにデータ連携することをおすすめしています。給与明細、年末調整、各種手続きまで考えると、専用ソフトと連携した方がよい場面が増えるからです。
K1くんは、給与計算の前段階である勤怠と人件費のデータを整える役割を担えます。給与ソフトにどう渡すか、どう連携するかについても、やり方をお伝えしています。
店舗ごとにタイムカードを打つことは当然ですが、店舗ごとに人件費が異なる場合の計算も必要です。どの店舗で働いた分なのかが分からないと、店舗別PLや人件費率が正しく見えません。
所属店舗とヘルプ店舗という概念がある会社の場合は、どこが所属かを明記する必要があります。所属スタッフなのか、ヘルプに来たスタッフなのかで、分析の意味が変わります。
また、同じ日内に移動する場合は、移動時間を勤務として認めるかどうかも文書に書くべきです。現場ごとの判断に任せると、店舗やスタッフによって扱いが変わってしまいます。
ヘルプ比率も重要です。所属スタッフとヘルプスタッフ、最近であればタイミーなどの日雇いスタッフも含めて計算してください。人件費の分析だけでなく、店舗運営の安定度を見る材料にもなります。
一般論として、社員・アルバイト比率、ヘルプ比率、店舗別人件費率、人時売上高、人時生産性などは必要です。これらを見ることで、店舗ごとの人件費の使い方や、時間あたりの売上効率が見えます。
ただし、それだけでは不十分です。結局、その人が会社にどれだけ貢献したかを見る必要があります。
人件費に加えて、その人が使った経費、法定福利費なども含めて考えると、より正しい見方になります。人件費だけを見ると安く見えても、トータルで見ると効率が悪い場合もあります。
この貢献度の考え方は、K1くんだけですべて出せるものではありません。ただ、勤怠、人件費、店舗別の数字を土台にして、会社全体でトータルに算出していくと、無駄が減り、効率も良くなります。
まず、今のルールとオペレーションが本当に正しいのかを見直してください。無駄がないのか、省略しすぎているところはないのか、まとめられるところはないのかを確認します。
毎月まったく同じことをしているのであれば、機械化できないかを考えてください。必ずしもプログラムを組む必要はありません。今ならAIに同じルーチンワークをさせることもできます。
給与計算は、毎月同じようでいて、打刻漏れ、休憩、深夜、残業、ヘルプ勤務、まかない、交通費など、細かい確認が積み重なります。だからこそ、手作業で頑張り続けるのではなく、仕組みに寄せられるところは仕組みに寄せるべきです。
具体的にやりたいけれど分からない場合は、弊社の担当者にご相談ください。良い意味で手を抜き、給与計算の作業を軽くして、本業に注力できる形を一緒に考えます。
