多店舗展開やFC展開でメニューを統一する時は、単にPOSの商品名をそろえるだけでは足りません。商品名、価格、写真、説明文、原価、レシピ、仕入先、店舗裁量の範囲まで決める必要があります。
K1くんでは、グランドメニューを本部で固定し、店舗限定や日替わりの自由度を必要な範囲で残す設計ができます。ブランドを守りながら、現場の地域性や提案力を失わないためのメニュー管理を考えます。
まず、グランドメニューの個数を確認します。ドリンクとフード、それぞれ何品あるのかを分けて見ます。
次に、店舗にどこまでおすすめや日替わりを認めるかのルールを決めます。全店で完全に同じにするのか、店舗ごとに少し自由度を持たせるのかで、設計が変わります。
店舗にメニューを変えさせる権利をあげるかどうかも重要です。たとえば、グランドメニューは金額も含めてすべてロックしたいのか、ある程度の裁量権を許すのかを決めます。
それをK1くん上で設定します。さらに、レシピ管理までしたい場合は、他のシステムと連携する必要があるかどうかも確認します。まずは、固定するものと自由にするものを切り分けることが第一歩です。
基本的には会社ごとに決めているルールだと思いますが、我々としては、商品名、価格、写真、説明文、原価、レシピは変えないことをおすすめしています。
これはブランドイメージのためです。特に価格に関しては、各店長が勝手に上下させてしまうと、会社のブランドイメージに大きな影響を与えます。
もし変えさせたくないのであれば、K1くんのように、設定によって該当商品をそもそも店舗側で変更できないPOSシステムに固定してしまうことをおすすめします。
一方で、店頭POPなどはある程度自由にしてもよいと思います。家族連れが多いエリアと、ビジネスパーソンが多いエリアでは、POPの書き方を変えてもよいからです。

もちろん、会社ごとに決めてよいと思います。ただし、店舗の強みとブランドイメージのバランスを考える必要があります。
たとえば、フードが強いお店であれば、ドリンクはある程度自由にしてもよいでしょう。店長の権限によって、焼酎や日本酒の種類を増やすような形です。
逆に、ドリンクが推しのお店であれば、フード単品を少し増やしてもよいと思います。小鉢料理など、客単価に大きく影響を与えない範囲であれば、店舗の個性にもつながります。
一番重要なのは、お客様が「このお店に来たらこれを頼む」と思うブランドイメージが統一されることです。店舗裁量を残す場合でも、その軸を崩さないことが大切です。
これも決めの問題ですが、完全に本部一括更新で上書きするパターンがあります。全店で同じグランドメニューを扱う場合は、これが一番分かりやすいです。
もう一つは、グランドメニューエリアと店舗登録エリアのメニューマスターを分ける方法です。この場合、本部はグランドメニューだけを変え、店舗側は許可された範囲だけ登録できます。
エリアごとの細かな特性に関しては、店長の方が詳しいこともあります。地域性、客層、近隣イベントなど、本部だけでは分からない情報があるからです。
ただし、会社側と店長側の無用なトラブルを防ぐためには、事前にルールを決めておくことが大切です。どこまで店舗が触ってよいのかを明確にしてください。
全店舗同時に反映させる必要はないと思っています。もちろん全店同時でもよいのですが、最初に特定のプレリリース店を数店舗決めて試す方法もあります。
反映日時に関しても、必ず1日の0時である必要はありません。営業時間によって変えてよいと思います。通常は営業日単位で問題ありません。
ただし、24時間営業の業態の場合は注意が必要です。事前に告知したうえで、一度その時間に全卓を会計してしまうなど、少し難しいオペレーションが発生することがあります。
お客様への告知も重要です。Web、SNS、店舗掲示などを使い、トラブルを防ぐためにも1か月以上前から告知しておくべきです。また、店舗が自由におすすめメニューやPOPを作っている場合は、そこの金額がずれていないかも確認してください。
店舗内の数字管理については、K1くんでほぼ管理できます。商品名、価格、理論原価などは、K1くん側で整理できます。
それ以外、たとえば受発注、レシピ、棚卸を含めた在庫管理については、インフォマートさんとの連携が可能です。
レシピから見る理論原価と、発注量から見る実原価の差異も分析しやすくなります。メニューを統一するなら、売価だけでなく、原価と仕入の流れまで見える状態にした方がよいです。
K1くんで店舗内の数字を整え、必要に応じて受発注や在庫管理のシステムと連携する。この分担が、多店舗展開では現実的です。
現場の個性をどこまで求めるかによります。料理やレシピなどのハード面は、固定にすることをおすすめします。
一方で、接客トーク、見せ方、出し方、POPなどは自由度を残してもよいでしょう。お客様への伝え方は、地域や客層によって変わるからです。
料理人がいる場合は、ブランドイメージを崩さない程度の日替わりメニューを残してもよいと思います。地域性や季節性を出せる部分は、店舗の魅力にもなります。
もちろん、どこまでやってよいか、これ以上はダメだという線引きは、事前に決めておく必要があります。自由度を残すほど、ルールの明確さが大切になります。
内部統制が正しくできていない時に、よくトラブルが起きます。メニュー変更をしたのに古いメニューが残ってしまう、古い価格が残ってしまう、といったケースです。
また、店舗の人が勝手に変えてしまうこともあります。悪意がある場合もあれば、現場判断でよかれと思って変えてしまう場合もあります。
最近では、モバイルオーダーの表示がずれることもあります。POS、モバイルオーダー、紙メニュー、POPの表示が一致していないと、お客様とのトラブルにつながります。
さらに、仕入業者が複数あることで原価が合わなくなることもあります。だからこそ内部統制が必要です。システムだけでなく、訪店作業や店長会など、アナログな確認も残さなければいけません。
どのようにするのか、何をしたらいけないのかはルールです。そこは断行して構いません。
ただし、スタッフも人間です。なぜ統一するのかという背景を理解していないと、本質とずれてしまうことがあります。
悪意なく良くないことをしてしまうこともあります。たとえば、お客様のためと思って価格や内容を変えた結果、ブランドや原価管理が崩れることもあります。
まず意識の統一をしてください。会社としてどの方向を目指すのか、具体的に何を目指すのかという背景を、全社で共有することが大切です。
メニューを統一したいのであれば、そのメニューが売れる、売れないも、すべて会社の責任になります。店長や料理長の裁量ではありません。
そのうえで、メニューマスター、レシピ、仕入先、その管理方法まで設計しなければいけません。商品名と価格だけをそろえても、運用がそろっていなければ統一とは言えません。
たとえば、その商品が品切れになったらどうするのか、代替品を使ってよいのか、店舗で販売停止にできるのか。そういったイレギュラーなことも考える必要があります。
本部で一括で変えるべきものは本部で変え、卸しルートも店舗単位ではなく会社で決める必要があります。メニュー統一は、商品マスターだけでなく、仕入、原価、現場運用まで含めた設計です。
