常連さんを増やすことは、ただ来店回数を増やすことではありません。どのくらい常連さんがいるお店にしたいのか、その常連率がお店の雰囲気やブランドに合っているのかを決めることから始まります。
K1くんは、常連率や日報を見える化し、スタッフが人にしかできない接客へ時間を使えるようにするための仕組みです。数字で現状を見て、人の接客で記憶に残るお店を作ります。
まず決めるべきなのは、「常連率を何パーセントまで増やしたいのか」です。常連さんは増えれば増えるほどよい、という単純な話ではありません。常連率によって、お店の雰囲気、ブランド、コンセプトが変わるからです。
次に、現状を計測します。たとえば「次回レシートを持ってきたらサービス」といった仕組みを作れば、レシートの回収率から再来店の入口を測れます。予約経路については、トレタやTableCheckなどを使うことで、何を食べたかという既食情報まで確認できます。
そのうえで、お店の内側も整えます。どのような接客をゴールにするのか、お客様にどんな感情を持ち帰ってほしいのかを言語化し、社内トレーニングで伝えます。さらに毎月の重点項目として日報に落とし込み、数字と行動で追えるようにします。

単品業態や定食業態のように再来店の敷居が低いお店では、ポイントカードやアプリでも構いません。大切なのは、思い出してもらうこと、覚えてもらうことです。
一方で、居酒屋などは「また行くきっかけ」を作ることが重要です。特典にする商品は、売値が高く、原価が低いものを選びます。ビール1杯サービスのように原価が重いものは避けた方がよいです。
値引きよりも、お通しを選べる、常連用の裏メニューがある、などの特別感が再来店を促します。実際には大きな差がなくても、お客様が「自分は少し特別に扱われている」と感じられることが大切です。測り方は、次回レシートを持ってきたらサービス、という形にすると分かりやすくなります。
アプリのインストールはハードルが高く、LINEも他店の通知に埋もれやすいものです。その点、紙のレシートは財布に入れておきやすく、再来店のきっかけとして使いやすい方法です。

常連さんを増やすためには、接客をすべてマニュアル化しないことです。マニュアル通りの接客だけなら、誰が対応しても同じになり、極端に言えばロボットに接客されるのと変わらなくなってしまいます。
名前で声をかける、前回の注文を覚えている、ドリンクのおかわりを聞くタイミングを見る。そうした小さな気づきが、お客様にとって「覚えてくれている」「ちゃんと見てくれている」という印象になります。
ただし、全員が常連扱いを喜ぶわけではありません。常連扱いされることが嬉しい人もいれば、あまり踏み込まれたくない人もいます。その距離感を読むことこそ、人にしかできない接客です。
K1くんなどのシステムは、接客を丸投げするためではなく、スタッフがお客様を見る余裕を作るために使います。裏側の作業や確認を仕組みに任せることで、人にしかできない接客の時間を増やします。
来店回数や前回の注文内容など、予約管理システムで管理できる情報は、無理に現場で抱え込まず、システム側に任せればよいです。
一方で、本当に接客力につながるのは、システムの項目だけでは拾いきれない情報です。たとえば、言われたら嬉しいセリフ、好きな席、見てほしいポイントなどです。
グラスのおかわりを見てほしい人もいれば、「最近どうですか」と飲食と関係ない近況を聞かれると嬉しい人もいます。こうした小さな気づきを積み重ね、他のアルバイトスタッフにも共有することで、店全体の接客レベルを上げられます。
単品業態や食事目的がはっきりしている業態は別ですが、接客を伴う飲食店の場合、再来店につながらない理由は「嫌われたから」ではなく、「覚えられていない」「思い出されていない」ことが多いです。
今の時代、よほど悪い印象がない限り、ネガティブな理由だけで再来店しないケースは少ないと考えています。むしろ、お客様の中でその店の印象が残らず、次に行く理由として思い出されないことが問題です。
だからこそ、料理でも、接客でも、会話でも、店内の空気でも、何か一つ「思い出せる要素」を作ることが大切です。常連さんを増やすには、忘れられないお店になること、人の印象として残ることが重要です。
あります。常連さん中心のお店になりすぎると、初めてのお客様がプラッと入りにくくなります。店内の空気が内輪向けになったり、商品説明が常連さん前提になったりして、新規のお客様には分かりにくいお店になってしまいます。
今すぐ大きな問題にならなくても、将来的にWEBサイトやSNSで情報が出にくくなり、外から見たときに「何のお店なのか」「初めてでも行ってよいのか」が伝わりにくくなることがあります。その結果、静かに新規来客が減っていきます。
常連さんを大切にしながらも、ある程度の入れ替わりは常に考えておく必要があります。接客も常連向けばかりに寄りすぎると、あとから新規向けの接客に戻すことが難しくなります。
まず大切なのは、「何のお店か」が一目で分かることです。料理写真を並べるだけでは、初めて見る人には店の使い方が伝わりません。
海鮮居酒屋、焼鳥酒場、個室和食、大衆中華のように、いわゆるショルダーネームを掲げることが重要です。商品そのものより前に、お客様が「自分が使ってよい店か」を判断できる言葉が必要です。
あわせて、価格帯と主要な利用目的も見せておきます。接待向けなら個室があること、ふらっと入りやすい店なら大衆的な雰囲気や価格感が伝わること。店頭では、InstagramなどのQRコードを置くのも有効です。
結果としては、常連率やレシート回収率を見る必要があります。ただし、それだけを見ても「なぜ増えたのか」「なぜ増えなかったのか」は分かりません。
日々の取り組みとしては、スタッフの声かけ目標に対するフィードバックが大切です。たとえば店長が「今日は10人に来店のきっかけを聞く」「お会計時に目を見てありがとうございましたと伝える」など、具体的な行動目標を決めます。
そして、その目標に対して実際にどれくらいできたのかを日々振り返ります。常連率は結果ですが、その結果を作るのは毎日の小さな接客行動です。数字と行動をつなげて見ていくことが重要です。
K1くんが担当すべきなのは、予約情報、日報分析、業務削減、数値の見える化などです。これらは人の記憶や感覚だけに頼るより、システムに任せた方が正確で、継続しやすくなります。
一方で、システムやIT、DXではできないことがあります。常連さんやお客様の記憶に残る声かけ、ちょうどよい距離感、その人に合わせたおもてなしは、人間が担当すべき領域です。
K1くんは接客を置き換えるものではなく、人が人らしい接客をするための余裕を作るもの。常連さんを増やすには、データで支える部分と、人が向き合う部分を分けて考えることが大切です。

まず、常連率を何パーセントまで増やしたいのかを定義します。次に、現在の常連率を測ります。そのうえで、再来店を促す特典を決め、日々のスタッフの声かけ目標を決めます。
ただし、決めただけでは意味がありません。毎日続けるために、K1くんなどの日報で店舗スタッフと共有し、行動と結果を積み重ねていくことが大切です。
